記憶と偏見のメカニズム
ヒロは偏見の目で見られる事が多い為、偏見を持つ人が嫌いです。
しかしヒロ自身、偏見を持っています。
これは人間であれば仕方のない事で、誰にでもある感情なのかもしれません。
それでは、偏見が起こるメカニズムについて考えてみたいと思います。
※ これは脳科学や心理学などを学んでいないヒロ個人の持論です。
まず人間は、記憶する際に必ずカテゴリー分けを行います。これは人間に限らず、生物全般に言える事かもしれません。単純な生物であれば、その存在が敵か味方かの2種類に分類するでしょう。
これが、人間の記憶となるとかなり複雑になってきます。しかし、カテゴリー分けをしなければ記憶する事が困難なのです。
ヒロが初対面の人に出会った時の記憶方法を例に挙げます。
まず、友好的か敵対しているかで分類します。
その次に、その人が男性なのか女性なのかに分類します。
この辺り、ヒロは単純な生物と同じなのかもしれません。
その後に、出会った時がプライベートかビジネスか、出会った場所、相手の服装、など細部のカテゴリー分けを行います。
こういったカテゴリーの人として、その初対面の人を印象付けます。
それは何故かと言うと、生物はこのようにして生き抜く知恵を身につけていったからだと思います。
例えば、自分の天敵の情報をカテゴリーに分類します。体の大きさ、色、動き、匂い、などどれかひとつでも天敵のカテゴリーと似た情報を見つけたら逃げる、又は撃退する事で生き延びる確率が高くなります。
この生物としての防衛反応が、人間となった今でも根強く残っているように思います。
例えば、髪を金髪にしている人に数回因縁をつけられたとします。
この情報は確実に記憶されます。
そして、初対面の人で因縁をつけるかどうか分からなくても、まずは敵対行動をとってしまうのです。
現代の日本ではいきなり殺されるような事は滅多にありませんが、生物の世界では生きるか死ぬか、食うか食われるかの世界の、命に直結する重要な情報だったからです。
理性では、その人に罪は無い事は分かっていても、本能で危険だと認識してしまうのです。
これがヒロが思う偏見のメカニズムで、仕方がないと思う理由です。
では、どのようにしたら偏見無く、理性的に生きる事ができるのでしょう。
全く学習する事なく、因縁をつけられるまでは敵か味方か分からないから偏見を持たず友好的に接しなければいけないのでしょうか?
それでは生きていけません。
まずは、カテゴリーと紐づいた情報が本当に正しいか検討する必要がありそうです。
『金髪=敵』
は本当に正しいか?
美容師さんだって自分の髪で練習する為に染めるでしょう。
遺伝的に金髪の人であれば、染めていなくても金髪でしょう。
その他にも理由はありますが、この情報は間違っていそうだと感じたら理性的に排除する必要がありそうです。
では、何の情報で相手をカテゴリーに分けて、現代を生き抜けばよいかと言うと、
” その人の内面を知る ”
という事に尽きると思います。
その人の言動や考え方から本質を見極めることで、どう接するべきかが本当に見えてくるのではないでしょうか。