心に土足でおじゃましまっす!

アスペルガーの二次障害対策と強迫性障害(OCD)の改善を模索する日々を綴った、双方向ブログです。 似たような問題を抱える方々の参考になるような情報提供を目指します!

周囲の環境と二次障害


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ヒロさんと話していると、

「ヒロさんは昔の傷を今でも引きずっているな…」

と思うことがあります。


ヒロさんは小さい頃、「うちの子は出来が悪くて…」とご近所に謙遜する親御さんの話を聞いてしまいました。それが謙遜だと頭では分かっていたらしいのですが、過剰に繰り返される謙遜が不快だったようです。本当なら一番親に甘えたい時なのに、信用できなくなってしまったようです。それ以来、謙遜は悪だ、自分を大切にしてくれない人がすることだ、と卑屈になってしまいました。

 

ヒロさんは本来左利きなのですが、それを無理やり右利きに直されました。書きにくい方の手では字が上手く書けず、学校で字を学ぶ時にも苦労したようです。ヒロさんは今でも文字を書くのが苦手です。

 

ヒロさんは理屈を大切にします。しかし、ヒロさんの疑問に思った事を真摯に受け止め、論理的に返答してくれる人は今まであまりいなかったらしいです。ヒロさんは、論理的に話さない人を馬鹿にするようになりました。理屈で人を言い負かすことに快感を覚えました。

 

ヒロさんは寂しがり屋で、温もりを大切にする人です。しかし、人と絡むと相手を傷つけたり、自分が不快になったりすることが多くなり、一人でいる事を好むようになりました。学校の勉強も辛かったようで、ずっと本を読んで過ごしたらしいです。ヒロさんは他人に触れながら人間関係を学ぶ機会を失いました。

 

ヒロさんは本来、落ち着いてゆっくり行動するのが好きです。しかし、小さい頃から素早く要領よくできない事を責められる事がしばしばありました。その事にコンプレックスを抱えたまま大人になって、数年前、仕事の関係でセカセカした環境の関西に引っ越してきました。スーパーの会計や、道を歩くスピードなど、もたもたしているとイライラされてしまう事が多い中で、ヒロさんは最大限のスピードで頑張りました。いつしか、周囲の人より速く動くこと自体が目的にすり替わり、ヒロさん自身、もたもたしている人に敵意を持つようになりました。「自分にも素早さを求めてきたんだから、仕返ししてるだけ、何が悪いんだ」と言います。もたもたしている人を押しのけてでも、素早く動くことが正義と感じるようになってしまいました。

 

ヒロさんはとても優しい人です。しかし世知辛いもので、ヒロさんの優しさにつけ込んでヒロさんから色々なものを奪う人がいました。ヒロさんは自分自身を守るために、他人を排除する術を覚えました。怒鳴って威嚇したり、理屈で言いくるめたり、物理的に距離をとったりすることが得意になりました。見かけの優しさに対して危機感をおぼえ、拒絶反応が出るようになりました。

 


このような出来事がアスペルガーの特性と複合的に合わさった結果、今のヒロさんは他人の好意を敵意として誤認識してしまったり、特定の刺激に対して過剰に怒りを感じてしまっているのかもしれません。
ヒロさん自身も、ただでさえ感覚過敏などでストレスが多い中、とても辛い日々を過ごしているのだと思います。


多岐に渡る問題の原因を『〇〇のせい』と単純化して決めつける事は危険だと思います。しかし、少なくともヒロさんの育ってきた環境要因の一つ一つの積み重ねがヒロさんに大きな影を落としているのだと私は思います。特に幼少期の経験が、その後の人生を左右すると言っても過言ではない気がします。


私も小さい頃から色々とコンプレックスを抱えて生きてきましたが、人生の要所要所で現れる素敵な人たち(恩人)の言葉や行動に救われ、今ではとてもポジティブに生きる事ができるようになりました。私が自分の殻に閉じこもろうとした時に破ってくれた人や、ずっと寄り添ってくれた人、甘ったれた私に優しくも厳しい喝を入れていくれた人など、感謝してもしきれない人がいます。もしその人たちがその時、私のそばに居てくれなかったら…想像するだけで辛い気持ちになります。今では他界し、私が恩返ししたくてもできない人がいます。私はその人たちから受け取った恩を、私以外の人に渡すまでは死ねないと思っています。とてもとても重い借恩を背負っています。


私には、私のできる範囲でですが、全力の優しさをもって接したい存在がいます。

 

日々過ごす中で、一人ひとりのちょっとした気遣いや優しさが連鎖して、多くの人に温かさが降り注ぐ世の中になれば良いなと思います。

 

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ヒロはほとんど過去の記憶がない為、それほど過去の傷を引きずっているとは思っていませんでした。

しかし、こうやって客観的に見てみると「確かに」と思う事ばかりです。

それぞれ一つづつ考えて改善していったら、二次障害は良くなるのかもしれません。

 

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↓ 個性を伸ばしたい話 ↓ 

 

↓ ヒロさんの昔の話 ↓ 

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