イイカタ!
ザッチのOCDの症状の1つに、汚染恐怖があります。
そのため、ヒロもザッチも家に帰ってきたら即お風呂に入らないと自由に部屋を移動できません。
2人で出かけると、帰って来た時にどちらかお風呂を待たないといけません。ほとんどザッチが譲ってくれるので、ヒロが先にお風呂に入ります。
二人で外出を済ませたある日のこと、ヒロがお風呂から出たら、ザッチはスマホをポチポチいじってブログを書いていました。
しかし、ヒロとしてはこの状態が一番やり辛い状況なのです。何故かと言うと、お風呂に入ったヒロはお風呂に入っていないザッチに決して触れてはいけなくて、万が一触れてしまったら最悪ヒロがもう一度お風呂に入らないといけないからです。
それなので、早くザッチにお風呂に入って欲しいと思うヒロ、まだまだブログを書きたいザッチという状況がありました。
ザッチは口では『先にお風呂入っちゃおう』と言っているのになかなか入りません。それでもヒロは急かさず暫く待ってみます。
そして、だんだん焦れてきて、
「待ってるんだけど」
と言ってしまいました。
すると、ザッチから『イイカタ!』と言われました。
ヒロとしては、これでもかなり考えて言い方を変えた結果でした。
言い方を考えない素のヒロなら、
「邪魔だからどいて」
と言っていたでしょう。『待ってるんだけど』以外言わなかった努力を認めて欲しいところです。
それよりも、『イイカタ!』だけでは何が悪かったのかヒロには分かりません。まさにザッチの言い方の方がよっぽど悪いと思うヒロなのでした。
その日、ヒロさんがお風呂から上がってくるまでは、確かにブログを書いていました。区切りの良い所まで書いて、後はお風呂を済ませてから続きを書けばいいやと思っていました。なので、「先にお風呂入っちゃおう」と言って、スマホを置きました。
私はOCDのせいで、お風呂に入るにも特定の手順があり、なかなかサッと入ることができません。お風呂上がりのヒロさんに汚れが移らないように注意しながら、その支度をしていました。
その時、友人からメールがあり、早く返した方が良い内容だったので、返事をしました。その様子をヒロさんはブログと勘違いしてしまったのかもしれません。
まだその頃はそんなに寒くない時期で、ヒロさんはお風呂上りに体の熱を冷ます為、ベッドの上で下着姿でしばらく過ごすのが常でした。
なのでその日もいつも通り、ベッドの上でしばらくゴロゴロするのかなと思っていました。
しかしその日はヒロさん的には動きたい日だったようで、私が邪魔だったようです。
そのような普段と違う心的背景を説明しないままイラっとした口調で「待ってるんだけど!」とだけ伝えられては、私としては「邪魔」とほぼ同義に聞こえてしまいます。
ヒロさんは自分の心や行動の背景を説明してくれないことが多いので、それを説明して欲しいと私は常々思っています。経緯を説明せず結果だけ言われても、誤解を招く恐れがあるし、理由が無ければ上手く対処もできません。
背景を説明する事はヒロさんにとっては簡単な事ではないと私も思うので、その点についてはイラっとしないように心がけています。
ただ少なくとも説明が欲しいパターンだった、キツく聞こえかねない内容だったことに気付いて欲しいという思いがあります。なので、言い方に気を付けて欲しいな、という意味を込めて「イイカタ!」と言ってしまいました。
『邪魔だからどいて』という言葉を回避しようと思考を巡らせてくれた事は感謝です。私も、伝わりにくい言い方をしてしまって、ごめんね。