心に土足でおじゃましまっす!

アスペルガーの二次障害対策と強迫性障害(OCD)の改善を模索する日々を綴った、双方向ブログです。 似たような問題を抱える方々の参考になるような情報提供を目指します!

【ザッチ式】強迫性障害(OCD)改善法 ※ 簡易版 ※

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今回は私が実践してきたOCDの症状の改善法についてご紹介します。

この方法は、薬の服用を拒絶した私が、勝手に独自に編み出したものです。

医学的な根拠も無ければ、効果を保証するものでもありません。

参考にされる方は、どうぞご自身の体調や状況と相談しながら、良さそうな所を少しずつ試してみて下さい。くれぐれも、ご無理をなさらないよう、自己判断にてお願いします。もし症状が悪化してしまっても責任を取れませんので、ご了承下さい。

 

【目次】

  1. ひたすら寝まくる!
  2. OCDの原因となる対象をできるだけ遠ざける
  3. 遠ざけたOCDの原因を一歩引いた目で(俯瞰で)見てみる
  4. 根本的な問題をねぎらう
  5. 上記の1〜4を繰り返す
  6. 周囲の人の行動を学ぶ
  7. ご褒美(OCDを乗り越えるプチ動機)を設定する
  8. 成功体験を繰り返す/失敗したら少し放置
  9. 無理せず自分を大切にできる環境を整える

 

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1. ひたすら寝まくる!

私はOCDになってから、強迫観念や強迫行為でヘトヘトになってしまう事が多くありました。とにかく『身体のコンディションをより良い状態に保つ』ためにも、睡眠を十分に取る必要があると思います。『OCDの症状が出ない、安心できる空間で過ごす時間をできる限り多く取ること』が私にはとても効果的でした。仮に眠ることができなくても、身体を横にして目を閉じてリラックスする時間をとるだけで違ってくると思います。

※注意※  もし寝ること自体がOCDの症状の原因となる場合は、『心身共に穏やかになれる最善ポイント』を探して、その時間をできるだけ大切にしてください。

 

2. OCDの原因となる対象をできるだけ遠ざける

寝まくる!の続きのようなものですが、目的は『OCDに縛られた自分を解放する』ことにあります。OCDを克服・淘汰する、という感じではなく、『そっと横に避けておく』感覚が理想的です。私は重度のOCD患者だったので、日常生活が本当にOCDまみれで、それらを遠ざけることがかなり難しい状態でした。一般的に、” 回避 ” しないことがOCDに対する行動療法として推奨されていますが、私は積極的に回避し続けました。但し、この回避は健康に支障のない内容から試すことを熱烈にお勧めします。私の場合、トイレに行くことがOCD的に辛かったので我慢し続けた結果、膀胱炎になってしまいました。とにかく、自分をひたすら大事にすることがポイントだったように思います。

 

3. 遠ざけたOCDの原因を一歩引いた目で(俯瞰で)見てみる

心身ともに少し余裕が出てきた頃、自己考察を始めてみました。OCDの原因とそれによる症状は人それぞれだと思いますが、私の場合、OCDの強迫観念や強迫行為はあくまで表面的に出てきている問題(副産物)でした。そして、根本的な原因を探り続けて行くと『心の深い所に存在する別の問題』に辿り着いたのです。私の「忘れられたくない」「大事にして欲しい」という思いが深層心理として存在していて、私が無意識のうちにその思いを『物』や『自分の行動様式』に投影していたのだろうと思います。より根源となる原因を洗い出すことによって、効果的な次の一手が打てると考えました。

※注意※   中には考えるだけで辛くなってしまう方もいらっしゃると思います。そのような場合は決して無理をせず、一旦保留にして十分な休息を取ってください。

 

4. 根本的な問題をねぎらう

俯瞰で見た時に浮かび上がってきた根本原因を、まずは優しく受け止めてみました。普段はOCDの症状を介して私を苦しめている存在ですが、決して憎んだり排除するような事はせず、優しく包み込むような感覚で受け止めることを心がけました。「しんどかったね、今までよく頑張ったね、お疲れ様」と、労(ねぎら)いの言葉をかけるような感じです。根本原因を " トラブルの元 " として見るのではなく、アラートを発して " 自分を守ろうとしてくれている存在 " である、ということに自分自身が気付いてあげることが重要なのかなと思います。

私には、他人の目や世間のルール、自分を律する気持ちなどが原因で、長い間抑え込んでいた感情がありました。しかし、それらは決して要らないものではなく、大切な私の一部なのだと思います。辛い気持ちも、いつか役に立つ時が来ると信じています。

 

5. 上記の1〜4を繰り返す

OCDの強迫観念と強迫行為も大概辛いものですが、自分の深い問題について考察することは決して楽なことではありません。十分な休息を取って、自分自身を心身共に癒してあげます。落ち着いてきたら次のステップへ進みます。焦らずに、ゆっくりと。

 

6. 周囲の人の行動を学ぶ

調子が良い時に、周囲のOCDではない人たちの行動を少しずつ観察してみました。強迫行為をしていない人でも、それなりに生きています。「それなり」が嫌で、「自分は完璧でありたい」と思う事もまだまだ多いです。しかし、確認行為を手放した方がより良い自分になれると信じれば、「それなり」を見習う気持ちになってきます。

当初の私のように簡単に外出できない場合は、参考にする対象人物はテレビの中の芸能人でも良いと思います。自分のお気に入りの人物の行動ほど、受け入れやすかったです。電話ができるようになったら、仲の良い友人に話を聞いてもらうようになって、「普通ってどうしてるー?」と質問攻めにしました。 より信頼できる人物の方が効果が高かったです。

理屈では分かっているけど、なかなか強迫行為をやめられないのがOCDの大変なところです。責任感が強ければ強いほど、こだわりを捨てる事が難しくなります。他の人のぶんまで頑張った、今まで良くやったと自分を褒めてあげると、私はふっと肩の荷を降ろせたように思います。

ここでももちろん、自分を大切にすることを忘れず、周りの人を参考にしながら理想的な自分像を思い描くことが重要です。

 

7.ご褒美(OCDを乗り越えるプチ動機)を設定する

強迫観念を振り切ったり、強迫行為を少なくしようとすることは、簡単ではありません。なので自分に優しくありたい私は『ご褒美』を設定しました。具体的な例としては、次のような感じです。

外出自体がとても辛く、家の外で財布を出すことも困難だった私は、買い物へ行くのがすごく苦痛でした。症状が酷くて確認行為の種類と繰り返し量がハンパなかった私は、外出準備だけで4〜5時間かけるのが当たり前になっていました。服を着る時、玄関のドアの鍵をかける時など、確認行為の負のループからなかなか出られなくなっていました。そこで買い物に行けた時の『ご褒美』として、必要な食材以外に『ちょっと高級なプリン』を買うことにしました。プリンは私の大好物です。心と身体が両方喜ぶのです。確認行為の負のループに陥りそうになった時、ひたすらプリンで得られる幸せを考えます。「♫ 買い物行けたらご褒美プリン!プリンが待って〜くれている!プリーン!」と私は自作のプリンの歌を口ずさんでみました…(恥)。すると自分の意識が自然と、" 確認行為の正確性 " から " プリン " へと変わってきます。視点が『過去』から『未来』へと変化するのです。その変化が、負のループを抜け出し、次の一歩を踏み出すきっかけとなりました。

この『ご褒美』の設定は少し慎重にした方がいいと思います。自分の心と身体に優しく、依存性がない対象を選ぶのはもちろん、それをご褒美として利用できる頻度やその効果、代替物があるかどうか等も考えます。そして『ご褒美』の設定を、今困っている強迫行為の ” 先 ” にあるもの(私の場合だと、買い物がツラい→スーパー等で売っている物)にする事も重要です。この行動軸上の関連付けを可能な限りきちんとすることで、『ご褒美』という存在が、単なる結果的な報酬ではなくなります。つまり『負のループを抜け出し、次の一歩を踏み出す動機』という意味を付加することができるのです。ただし、目標を固めすぎると焦ってくるので、あくまでプチ動機として、ワクワクする・楽しみにする、という感覚を大切にします。

昔の私の思考回路では「いわゆる " 当たり前 " の事がOCDでできなくなったんだから、それが少し改善したところで褒められるもんじゃないし、ご褒美なんてもってのほかだよ」と考えてしまっていました。しかし、自分の頑張りや我慢を無かったことにすればするほど、私は症状が悪化してしまいました。そういう訳で遠慮なく『ご褒美』を設定することにしたんですが、OCDが酷くてほぼ寝たきりだった私は、ちょっとした事で幸せを感じるようになっていました。ありがたや、ありがたや…

⚫︎参考⚫︎ 私の『ご褒美』の例  

        《【ツラいこと】→【ご褒美】》

  • 買い物 → プリン、ゼリー、餃子などの好物
  • お出かけ → 親友との楽しい会話、自然豊かな景色や綺麗な空気
  • ゴミ捨て → 片付いた部屋での快適な生活、新たな物品を取り入れる余地
  • トイレ → 美味しい飲み物や食べ物、健康な身体(脱・膀胱炎w)
  • パソコンやスマホ → 新たな情報、親友とのコミュニケーション

などなど…

 

8.成功体験を繰り返す/失敗したら少し放置

確認行為の負のループから抜け出しやすくなったら、心身ともにかなり楽になりました。繰り返し行為の回数を減らすことができたので、いろんなことに挑戦できるようになりました。未だに自分の根本の問題に深く関わっている強迫観念や強迫行為はしぶとく残っているのですが、それらから派生した些細な強迫観念はだんだんと少なくなり、強迫行為も1回で済むようになってきました。

もちろん全てが一斉に快方へ向かうわけではなく、調子のムラはありますし、内容によっては一時的に酷くなったと感じるような時もありました。しかし、あくまでOCDを " 淘汰 " するのではなく、" 受け入れる " 感覚で、症状が酷い時はそっと横に置いて(保留して)おきました。ツラい時は、また上記の1や2に戻って自分を癒しました。そして他のことで成功体験を積みました。

これは私自身驚いたことですが、他のことで成功体験を積み重ねている間に、そっと保留していたOCDの強迫観念の中に、すっかり忘れてしまっていた(意識せず治ってしまった)ものがありました。そしてそれらは、調子が悪くなっても、再発することはほとんどありませんでした。

恐らく、OCDについては、すっかり忘れてしまう、というのが理想的な形なのかもしれません。「OCDを意識的に克服するぞー、やっつけるぞー、しんどいけど無理矢理挑戦し続けて、乗り越えるぞー」という療法もありますが、意識や意味付けの伴っていない反復練習は私にはツラすぎて続けられませんでした。

繰り返しになってしまいますが、『自分自身を癒す』ということに重点を置いて、自分の内なる声を聞き続けてあげれば、徐々に強迫観念という自分自身へのアラートの音量が下がってくるように感じます。そして最終的にアラート自体が発せられなくなるのだと思います。

 

9.無理せず自分を大切にできる環境を整える

OCDがマシになってきたら、真面目な人はすぐまた元の環境に戻ろうとするかもしれません。

私も実際、OCDのせいでそれまで出来なかった " すべき事 " をするため、まだまだ症状が辛いなか、元の環境に戻ろうとしました。人に迷惑をかけてしまっていると思って、焦った部分もありました。

しかしながら、完治していない状況では、だんだんと心身ともに疲れてきて、症状を改善するための時間も取れず、結局行き詰まってしまいました。

うまくいかなかった原因はひとえに、" すべき事 " にとらわれて、自分自身に優しくできなかったからだと思います。せっかくOCDという形でアラートを受け取ったのですから、その経験を生かしていかなければなりません。私が行くべき所は、元の環境ではなく、自分が楽しめる、自分を大切にできる場所でした。

それから私は、私にとって何が良い環境なのかを真剣に考えました。その環境をどうすれば維持できるのかを本気で考えました。好きなこと、嫌いなこと、上手なこと、苦手なこと、どうしたいか、どうありたいか…自分の内なる声を聞くために、たくさんたくさん考えました。振り返ってみると、 " こうあるべき " とか " こうすべき " にとらわれず、純粋な気持ちで自分のしたいことについて考えた経験は、今までの人生で無かったように思います。

今はまだその理想の環境を整えている途中ですが、上記の1〜9を実践して、かなりOCDの症状が落ち着きました。そして、こうやってブログまでできるようになりました。

 

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今回はOCDの改善法としてご紹介しましたが、自分の満たされない気持ちが原因で心を患ってしまった方には、参考にしていただける情報も含まれているかもしれません。

この記事が、日常ツラい思いをされている方に少しでも役立つなら、嬉しい限りです。

 

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